2007/02/08

■ 動き出したもりCさん

 
「突然のメッセージで失礼します」− 。

もりしさんと出会ったのは2007年1月6日、もりしさんから届いた1本のメールがそのきっかけだった。ブログやミクシイなど、もりしさんは以前から熱海まちづくり研究会の活動に目を留めてくれていたようで、それがメールをもらうことへとつながった。

で、ここでは「もりし」さんを「もりC」さんと呼んでみたい。愛情と笑いを込めて。

もりCさんは既存商店生き残り策と高齢者福祉サービスを合わせ持つトータル・デリバリー・サービス(TDS)構想をまとめ、現在、その実施に向けて動く人物である。

先月1月27日には伊豆日日新聞でもその取り組みが大きく紹介され、「TDL」といったら「東京ディズニーランド」、「TDS」といったら「伊豆のもりC」として注目を集めている。

このもりCさんと初めて直接お会いしたのは、メールをもらった1週間後、1月14日のことだった。午後の熱海駅、もりCさんは車に乗って現れた。駅前のお店に入り、珈琲を2杯注文、1時間と少しの間、互いにあれこれ話し合う。

事件はそこで起きた。会計時、一歩先にレジに向かったもりCさんに、おごられてしまったのである。

「(くぉ、やられた!)」、、。

「一杯のかけそば」ではないが、珈琲もなかなかあなどれない。サンキューもりCいい男、ということで、話の席で近々もりCさんが新聞に登場すると聞いていた僕は、店のドアーを出る時、「(今度ブログに載せて仕返してやる、、)」との企みを抱いたのである。

もりCさんは都内の大学を卒業後、実家の森島米店を継ぎ、「お米のマイスター&お米味鑑定士」として活躍してきた。

・「森島米店」
 http://m-kome.com/

しかし商店街の衰退や高齢者の増加、大型店の進出など、地域を取り巻く現状にもりCさんは問題意識を抱かないではいられなかった。そこで新規事業の展開に踏み切ったのである。

車に乗れない高齢者の増加 ...

「配達のついでに、他の商品を持ってはいけないだろうか、、」
(by もりC)

そしてもりCさんは「TDS」(トータル・デリバリー・サービス)を考案する。

この「TDS」は、中山間地域ならではのビジネスモデルがテーマとなった地元商店から仕入れた商品の宅配サービスで、

1)商店の競争力の強化
2)高齢者の住みやすいまちづくり
3)宅配コストの削減と効率化
4)地産地消流通の統合

の4つの課題を取り入れている。

翌日配送や商品の掲載されたカタログ、顔見知りの配達など、利便性や安心感などの要素も盛り込み、市商工会の有志の協力を得て5月に天城湯ケ島地区でサービスを開始、その後市内全域に拡大していく計画である。

こんな人を放っとくやつなどまちづくラーではない!ワいは猿や!まちづくラー猿や!とお店を出た後、そのまま熱海まちづくり研究会.の宴に参加してもらった時の写真が下である。

以前から熱海市では湘南新宿ラインを熱海駅まで延長させようとする動きがあるが、東京と反対方面、伊豆からは、もりCさんの活躍が熱海まで延びてくるのかもしれない。

前者が主に「観光客」や「生活者」といった人口の「量」の増加を目指しているなら、もりCさんのプロジェクトは、「質」のそれを目指したものといえるだろう。

これはどこでもきっとそうだろうけど、まちづくりのために動いていると、何でも市長任せの発言や、まちの命運すべてが市議会や選挙に委ねられているかのような考え方に出会う機会は少なくない。

そこへきて、今回このブログに登場したもりCさんは、伊豆の「生活者」である。 そんなもりC さんの考え出した「生活者」のためのプロジェクトは、色んな意味で、「政治がすべて症候群」へのカウンターパンチになるだろう。

サービスとは何か。その原点を忘れ、おもてなしを失くした時、まちはただの廃墟へ変わっていく。

頑張れもりC !!
もりC 発のTDSが、熱海まで延びてくることを祈って− 。

■「森島米店」
 http://m-kome.com/

■ 伊豆日日新聞:2007年1月27日号

 

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

自分のことを紹介して頂けると気恥ずかしいものですね(^^;
…でも、ありがとうございます。
まだまだ、新聞に載ったというだけで、
何も結果が出ている訳ではない。

高齢者が住みやすい街づくり。
商店が生き残れる仕組みづくり。
過疎地に住む商店が、
同じ地域に住むお客様へ提供できる、
最大限のサービス。
そんな仕組みを作っていきたい。

同じく伊豆にて街づくりを志す同志として、
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。