2007/04/24

■ アタミミライマッププロジェクト × 熱海まちづくり研究会

  
午前11時3分。東京駅から東海道線熱海行に乗車する。いつものように4人向かいのボックス席、奥の窓側に腰を落とし、景色を眺めてジュースを飲む、つもりだったが、この日は少し調子が違った。

「あんた細いわねぇ、、いいわねぇ、、」。おばちゃまコンビの奇襲である、、。「ほんとに細いわねぇ、、あたしのお肉あげようか?」と1人が脇腹をつまむポーズをとると、「ついでにあたしの歳あげる」ともう1人。すぐさま脇腹から指を放したおばちゃまが「お兄さんいくつ?」。「20代です」と返すと「あんた30以上も離れてんじゃない」とおばちゃまがおばちゃまにツッコミを入れる。まるで餅つきみたいなコンビネーションだ。顔を合わせてゲラゲラ笑う3人。

笑いながら「(やっぱりきたか、、)」と心の中で呟く僕。いつかはこういう日が来るだろうと覚悟していたが、ついにやってきたのだ。

もしもこれが反対で、おじさんが女の人に同じ言葉を投げたらセクハラなんだろうけど、おばちゃまてのはその存在自体がすでに権力だから仕方ない、、。

・熱海までご一緒したおばさんコンビ

聞いてみると目的地は熱海だったので、ノートを取り出し、インタビューを試みることにした。

2人は熱海のリピーターで、毎月一度は必ず熱海に足を運んでいるという。今日は海上花火の日ということで、宿の予約を取ったみたいだ。そこで熱海の何がいいの?と聞くと、「お湯以外にいいとこないわよ。外は行くとこなくてつまらないし、旅館に入って、その中で過ごすだけよ」−。

「じゃぁ何で毎月熱海に足を運ぶの?」と聞くと、「私蒲田に住んでいて、電車一本で来れるのね。本当は箱根に行きたいけど、乗換えが煩わしいじゃない。遠回りで時間も掛かるし、熱海はそれに比べたら楽だし、ねぇ」と横を向くと、もう一人のおばちゃまが「そうねぇ」と相づちを打つ。

「何で箱根がいいの?」と聞くと、「あそこは温泉だけじゃないでしょ。美術館とか、色々あるじゃない。色々見て歩いて、外が楽しいもの」と返ってくる。

この日は伊豆山のホテルに宿泊するという熱海リピーターの声。1組のおばちゃまの声だが、ここで得られる示唆は少なくない。

1つは、交通の便や時間的制約といった消極的な理由から熱海という地が選択されていること。本来ならば箱根に行きたいところを、消去法で熱海が残っただけという構図である。

そして2つ目に、この2人にとって、熱海は「温泉地」ではあっても、「観光地」ではないということが読み取れる。ひっくり返せば、熱海にとってこの2人は、「温泉客」であっても、「観光客」ではない。続けるならば、「旅館」にとっては「お客」であっても、「まち」にとっては「通行人」でしかない、ということがいえる。

小さなさじ加減だけど、ここはしっかりおさえておかなくちゃいけない。アカデミックな定義は別として、世間でいわれる「観光」は、マクドナルドのバリューセットに似ているからだ。

おばちゃまがこぼしたように、たとえば箱根には温泉だけではなく、美術館があり、物産巡りがあるといった具合に、多くの場合、「観光」は色んなものがセットになって受け止められる。そういう意味で、熱海はハンバーガーしか注文してもらうことができていない。ジュースやポテト、チキンナゲット、、まちをつなぐ横のラインは崩れているのだ。

僕はここに、地域の横の連帯の欠如を感じずにはいられなかった。たとえば子育ての問題に絡んで聞こえてくる声も、ほとんどこれと変わるところがない。外からやってくる人、内で暮らす人、どちらの不満も、まちの抱える同じ内情から生えている。

そんなまとめを綴ったところで、僕はメモを取る手を休めた。残りの道程、おばさんと3人、談笑しながら熱海に向かう。あっという間の到着後、ホームの上でまた今度とお別れ。だけどもう会うことはないんだろうな。背中を見ながらそんなことを考える。「さよならだけが人生さ」、、井伏鱒二の太ったおっさんだったか、誰の言葉か正確には思い出せない。

・第4回熱海まちづくり研究会.ドット

急ぎ足で「藍花」へ。着いてみると、今日は沢山人が集まっていた。atamistaさんの仲間達が半分!!以前渋谷でお茶した元国観生のGaraさんも東京から駆けつけてくれた。お初見の392さんもいるし、ラジオパーソナリティーのOさん、若女将のozakiさんもきてくれた、、チョイさん、ろっそさんも揃う。すげぇ、、。

・第4回熱海まちづくり研究会.ドット
・アタミミライマップワークショップ

研究会ではふ=とチョイさんが先日の観光戦略室の応募論文をもとに「今後の観光熱海について」と題した報告を。ozakiさんが子育てママのためのまちづくりについてプレゼンを行い、それぞれ意見交換を重ねた。その中で僕は、いよいよ具体的なアクションの方向性が
固まっていくのを強く感じていく(詳しくはまた別の機会に)。

そして次にこの日のメーンイベント。atamistaさんのワークショップが始まる。

・アタミミライマップワークショップ

今回atamistaさんのチームが実施したのは、教育をテーマにしたワークショップ。シートに並んだ60の質問に答え、それを決められた方法で採点すると、自分のこれまでの経験や記憶、嗜好、本人も気付かない深層心理が描写されて、これからの生き方や適職が見つかるというもの。そして最後にはそれが熱海の地図とつながっていく。

ここでは被検者が全員成人だけに、班によっては下ネタが紛れ込んでいたり(僕だけか??)、テンヤワンやの時間だった。それにしてもatamistaさんの進行さばきは見事である。皆さんお疲れ様でした、、。

・懇親会@焼き肉「壽−SUMI−」
・懇親会@焼き肉「壽−SUMI−」

研究会もワークショップも無事に終えて、毎度お楽しみの酒の時間。Trunkさん、コルトさん、マメ子さん、ちゃっぴーさん、きらきらちゃんが合流。今回は網を囲んでの焼き肉となった。

・懇親会@焼き肉「壽−SUMI−」

すると会の途中、ちゃっぴーさんが隠し持った変な金玉で、熱海市観光戦略会議委員の採用をお祝いしてくれました、、。僕はあまり祝福されたことがないから、こういうの苦手なんだけどね。でも皆さんほんとにありがとう、、。(画像提供:Garaさん)← サンキュー。

今日はまだまだ終らない。焼き肉の後は海上花火を見にコルト邸へ移動だ。ドカン、バボン、花火の爆発音に急かされながら屋上に駆け上がる。

・花火@コルト邸

ハナちゃん!!

・花火@コルト邸

タマちゃん!!

・コルト邸

花火に感動するのも束の間、コルト邸の中に招かれると、ここでも花火。玄関や居間で、驚きの声がこだまする、、何だこのお屋敷は。それにしても畳が美しい。さすが畳のプロだ。

・コルト邸
・コルト邸

コルトさんのご両親にビールなどご馳走になる。この日は統一地方選挙の投開票日ということもあって、色んな話を聞くことができた。コルトさんのお父さん、お母さん、そしてコルトさん、ありがとうございました。またお邪魔させて下さい。(私信)

この後は恒例の「いとがわ」へ。しかし記憶を失くしてしまったので、今日はここまで。起きたらatamistaさんの家だった。atamistaさん、泊めてくれてありがとう、、。深謝。


[募集]

熱海まちづくり研究会では、遊びに来てくれる人を大歓迎しています!!地域の内とか外を問いません。飲み会からの参加でも何でも構いません。いつでもご連絡お待ちしてます!!

dukjoo@h9.dion.ne.jp


ふ= 
 

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。女性達は熱海にあるものについては何か言っていましたか?もし言っていたのならどんな感想を持っていたのか、とても興味があります。熱海にあるもの、例えば伊豆山や旧日向亭からの海の眺め、伊豆山神社や来宮神社の緑、糸川沿いの散歩道、東京とは明らかに違って美味しい空気、何だか東京よりはゆったりした熱海に流れる時間(人々がのんびりしているのかな?)などなどです。