2007/01/31

■ 走れ「観光戦略室」!!

 
・「熱海市財政注意予報」:「財政危機宣言」のパロディです。

この1月26日、昨年発表された熱海市の「財政危機宣言」が、「財政再建スタート宣言」に変更された。「財政危機宣言」をめぐっては賛否両論あったけど、「よかった」とか「悪かった」とか、そうじゃなくて、あれは「必要」だったんじゃないのか?

たとえば健康診断だ。検査の結果を受けて、お医者さんが患者に対して「ちょっとお酒を控えなさい」と注意する。「財政危機宣言」は、これと同じことではなかったか。「このままいったら糖尿病になっちゃうヨ?」という注意である。だから中身や内容そのものは間違っていない。むしろ正しいと思う。

問題になったのは「行為」であって、「中身」や「内容」なんかじゃない。「危機宣言」が「スタート宣言」に置き代わって一件落着すること自体、問題だったのは「言い方」であって、やっぱり「中身」や「内容」ではなかったってことだろう。

そもそも病名の告知が患者のためになるかどうか、そこに絶対的な基準や答えがないように、「危機宣言」そのものを発したことが間違っていたかどうかなんて、簡単に裁けるようなものではない。

ただ1つだけ確かなことがあるとすれば、それは、酒とタバコをやめさせるために一番効くのは、「危機の宣告」だということである。


☆☆ ここで、第1回「もしも」シリーズ ☆☆

−「危機」のこんな伝え方 −

1)「熱海市財政注意予報」

・「2008年:曇り 財政危機率50%」
  → 「気をつけなきゃ」ってなるんじゃないか。

・「2012年:晴れ 財政危機率 0%」
  →「ヤッター!」ってなるんじゃないか。


2)「熱海市財政危機時計」

・環境危機時計
→「現在の地球環境の悪化にともなう人類存続の危機の程度」を時計の針で表したもの。


「環境危機時計」はテレビのニュースで流れていたり、だからきっと多くの人が知っていることだろう。

この「環境危機時計」はどこかの国や地域で核実験が実施されたり、温暖化が強さを増したり、そうした負の事態を受けると時計の針が進みだし、人類に滅亡の警告を鳴らす役目を果たしている。

これと同じように、熱海市は「現在の財政悪化にともなう熱海市存続の危機の程度」を示す、「熱海市財政危機時計」を設置すればよかったのではないか?

市長に発言の撤回を要求するより、こんなユーモア欲しかったなぁ。
                             みつを

(真剣な話!たとえ財政運営が順調であっても、これは全国の地方自治体に設置されるべきだ!)

☆☆「もしもシリーズ」第1回 終 ☆☆


とにかく言いたいことはたくさんあるけど、他にやらなきゃいけないこともたくさんあるので、一度ここでまとめておきたい。
(わぉ!もう朝だよお母さん!)

「熱海市財政危機宣言」は、まちの将来を示す1つの「標識」だった。これは間違いのないことだと思う。ここに異論を挟む人がいるとすれば、それはよほどの意地悪でしかないだろう。

あるいは、「標識だけ建ててみたって意味などない」と、うそぶく人がいるかも知れない。でも、それは違う。なぜなら、「観光戦略室」(註)がそこを走るからだ。「観光戦略室」は、熱海を乗せて走る「車両」の役目を担っている。

道路の上の障害物を取り除き、この「戦略室」をうまく走らせることができるのか — 。それが今問われているのだ。

問われているんだよなぁ。
         みつを

( 続く・・・ )

[註]
・「観光戦略室」:市民、市役所職員、観光の専門家など、多様な人材によって観光戦略を検討するための委員会。観光の長期及び短期の戦略を策定していくための機関として、2007年春より市役所に常設される運びとなっている。


■ 予告

次回は「熱海まちづくり研究会.」に参加しているまちづくラー、もりしさんが伊豆で活躍している様子をお届けするぜ!!乞うご期待。

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・もりしさん(「伊豆 日日新聞」2007年1月27日)

 

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